学生の頃、バイトで塾の非常勤講師をしていました。小学校1~3年生のクラスもあって、そのクラスでは学期に1回ぐらい情操教育の一環として視聴覚教育をやってたんですが、だいたいが絵本の読み聞かせで、まあ手抜きしたい時はハヤオさんのアニメビデオでも流して、後で感想文を書かせるというもの。
私は個人的好みで『感想文』ではなく、わざとアンハッピーエンドの物語(ごんぎつねとかフランダースの犬)を読んで、『この話の続きを考えましょう』という創作をやらせていましたが、みんな結構いい続きを書く。ふざけたい年頃の男の子なんかも真面目に『オレたちは似たもの同士だったのに、どうして解り合おうとしなかったんだろうなぁ』とか真剣な文章を書いてくるので採点しながら泣ける(笑) 子供って天才だなぁと思います。
で、主題は絵本読み聞かせじゃなく、ビデオ鑑賞会の方。
ある時『となりのトトロ』を見せて感想を書かせたんですが、当時小学校2年生だった男子がものすごい感想文を書いた。以下要約。
『最後、あんなに会いたがっていたお母さんの病院まで行ったのに、直接会わないでトウモロコシだけ置いて帰ったのはどうしてだろう。あの時メイは実は死んでしまっていたんじゃないかな。メイを探して危ないところに行ったサツキも死んでしまって、本当ならそこで終わってしまうけど、2人はトトロと友達だったから助けてもらえて、ネコバスに魂を乗せて帰してもらえたんだと思う。だから、病院にいるお父さんには2人が見えなかったし、お母さんは病気で弱っているから魂になっている2人がちょっとだけ見えたんだと思う。トトロはきっと子供を守ってくれる神様なんだと思った』
…みたいな文。本当はもっと長くて、ひらがなばっかりの文だったけど『メイちゃん迷子になったけど、トトロのおかげて見つかってよかったねー』ぐらいの感想しか持っていなかった甘ちゃんな自分は、かなり衝撃を受けました。
こないだ金曜ロードショーでトトロやってたとき妹にその話したら、「トトロ都市伝説、とか本当は怖い隣のトトロ、とかでググッたら、そういう話いっぱい出てくるで」と教えられ、実際ググッてみたら本当にあった。ただ、トトロが『子供を守る神様』じゃなくて『死神』という意見が多かったけど、そんな大人と同じような考察を、まだインターネットなんてなかった時代に小2の子供が書いたというのがビックリ。
しかも『死神説』だとサツキとメイが無事に家に帰ってきてるラストに矛盾が出来るけど、『子供の守り神説』なら生き返って帰ってきててもおかしくない。なんて隙のない小2…! もしかして彼もトトロに助けられたことのある一人か?(笑)
その子は4年生から中学受験クラスに入ったので私の手元から離れてしまったけど、順当に行ってればそろそろ就職活動の大学生のはず。彼がそういう考察ブログ作ってたらブクマして通うのになぁ(笑)
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