厳しいそしてややこしい平成を生き残れるのは

フィギュアスケートの解説で、２回転はダブル、３回転はトリプルって言うのに４回転をクワドラブルって言わないのは、『クワドラブル』って言うより『４回転』って言う方が短くて言いやすいからだろうか。
ちなみにクワドラブルという言葉は某フィギュアスケート漫画で覚えました。ライパクの人が描いてた、フィギュア始めて１～２年の高校生が普通に４回転半とか跳んでるすごい漫画(笑)


最近、うちの支店の後輩事務員ちゃんが退職するので新しい女子事務員の面接をしました。
もう何年も新入社員を採らず中途採用ばっかりだったうちの会社が、久々に新卒、未経験者も範囲に入れての募集でした。そして案の定、新卒（扱いになる未採用者）ばかりの応募が集まったんだけど、みんなすごくしっかりしていてはっきり話す。
みんないい大学を出ていて、資格らしい資格持ってない私が「私は学生時代に一体なにをしていたんでしょう。虫ケラですいません、ゴミクズですいません！」ってひれ伏したくなるほど、すごい資格をいくつも持っている…!! あああぁ、そんなすごい人がうちの会社にぃ～!? って、完全に『モード：虫ケラ』(笑) こっちがいろいろ教えてもらわんといかんレベルだ。

まあそんな自虐は置いといても、今ってそんな優秀な子でもあぶれてうちのような小さい会社に面接に来る時代なのですね。こないだ見たニュースでは最近の就活事情、大手企業志望者がダントツって言ってたのに。自分の頃もたいがい氷河期でセクハラ面接とかで少しでも志望者を減らす傾向だったけど、今みたいに採用内定もらってから「やっぱ取消」なんてことはなかったものなぁ。取消とかなさそうな安定した大企業の方が安心って気持ちはわかる。
でも、仕事にやりがいを求める人、安定を求める人、働くことは目的ではなく手段であると割り切ってる人…いろんな考えの人がいるけど、就職はゴールじゃなくて新生活のスタートなんですよね。内定もらったー、あーよかった！ で終わりじゃなく配属先の業務は勤務形態は自分に合っているか？ 日曜はイベントに行けるのか？（最重要/笑）入社してからの自分の生活が具体的に思い浮かべられるか？
その点、同じ就活氷河期でも私らの頃より採用側も志望側も情報が多くなってるから、選ぶ段階で色々判ってるとは思うけど、そのぶん今の子はきっともっとずっと嫌な思い、つらい思いしてるよね。学生の間は少子化社会で大事に可愛がられて育って来たのに、いざ社会人になろう！って段階でいきなりこの仕打ちかよ…って人も多そう。

今回たった一週間程度の募集で９名書類出してきてくれて、その中から３人面接したんだけど、『６名落とした』というよりは、苦渋の選択で『３名を選び出した』という感じでした。本当は全員とお話してみたかった。履歴書の字も綺麗だったしみんな意欲に燃えてたし。さらにその３名から１名を採用したわけだけど…本当、どの子に来てもらってもよかった、ていうか誰か１名に決めるのがもったいないくらいだった。
今回縁がなくて選ばれなかった子たちも、早く他のいい会社に採用が決まりますようにと祈らずにいられません。

今、就活で苦労してる人多いと思います。でも採用する側もうちのような小さい企業は「何こいつイラネ」って３秒で切って捨ててるわけじゃなくて、業務の助けになるであろう有能な若者を全員採用できないこの不況への不満とか不安とか、不況の煽りで余裕のない自社への不甲斐なさとかでグルグル葛藤しつつ、断腸の思いでたった一人に絞ってるわけなので、たまたまその会社がダメでも、次がどこでもダメなわけじゃないはずです。誰にでも必ずベストプレイスはあって、一発目でそのベストな職場に巡り会える人もいれば、100社受けてもしっくりくる会社に当たらない人もいる。今の会社でもう長くても「私の居場所は本当にここなの？」って思いながら働いてる人だっている。
面接に来た３人の女の子、１人に決めにくいなー難しいなーって悩んだのは、３人とも在学中から何十社も受けて落とされて卒業してしまったのにまだ気に入ったところに受からなくて、っていいかげん卑屈にもなりそうな長い長い活動をしてるというのに、みんなすごく前向きで明るかった。そして「○○だからこの会社に入りたいんです」じゃなくて「この会社に入ったら私は○○が出来ます」っていう展望と意欲があった。何も諦めてなかった。
就活の話題になるといつも思うんだけど、不況だなんだと暗いニュースばかりの世の中でも、若い人が「働きたい！ 仕事をくれ！」って思ってるうちは大丈夫だと思うのです。いま就活してるみなさんが自分に合った会社から採用もらえるまで、決して腐らずに頑張れるようにネットの片隅から応援しています